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HOME >お役立ち情報 > 塗膜剥離工法について(超高圧温水+軟化剤併用工法)  
■塗膜剥離工法について(超高圧温水+軟化剤併用工法)
 
1.はじめに
現在、主な塗膜剥離工法は以下の種類があります。
今回はこの中の高圧温水洗浄工法の紹介をします。
  • 超高圧水洗浄工法(300〜500kg/cm2の水圧で剥離する)
  • 超高圧温水洗浄工法(上記の方法にて、60〜80℃の高圧温水を使用し、剥離剤又は軟化剤を併用し、塗膜を軟化させながら剥離する)
  • 超音波ケレン工法(鉄の刃がねを微振動させ剥離する)
  • サンダーケレン工法(ディスクサンダーにて塗膜を削り落とす)
  • 剥離剤工法(剥離剤を塗膜に塗布し、軟化させた塗膜をカワスキ・ケレン棒にてそぎ落とす)
  • ドライブラスト工法(砂を塗膜に打ちつけ剥離する)
2.工事の着手
 通常の大規模修繕工事では、足場から始まって下地・シーリング補修、洗浄、外壁塗装、防水と流れ、バルコニーの使用制限のある居住者に負担の掛かる塗装・防水工事は、大規模修繕工事の後半になります。その為、居住者の感覚としては「徐々に大変な工事になる」と感じる方が多いと思います。
 しかし塗膜剥離を伴う大規模修繕工事の場合は、足場工事が終わるか終わらないかのうちに、軟化剤の塗布の為にバルコニーをビニール養生し、居住者はバルコニーに出ることはおろか、換気をすることも出来なくなります。秋現場では、8〜9月に掛けて工事を着手する為、真夏の時期に養生になります。また塗膜を剥がしやすくする軟化剤の成分は、シンナーとは異なりアルコールを主としていますが、シンナーと同じ程の異臭がします。またその後の塗膜剥離作業では、2tトラックに載った400kg/cm2の圧力の出る洗浄機のエンジン音や、高圧水が外壁や足場に当たる音、水流の音が鳴り響き、大騒音となります。
 
3.足場について
400kg/cm2の超高圧水洗浄は、作業員に対して大きな水圧の反動が掛かるため、両足を肩幅以上に広げて踏ん張る必要があります。その為600枠では狭く、900枠以上(写真の現場は600枠で行っています)で足場を組み立てる必要があります。また飛散防止の為、メッシュシートは建枠の外側でメッシュシート同士をぴったり隙間無く結束しなければなりません。安価な質の悪いネットを使用すると、温水でメッシュシートが縮み、剥離カスが足場の外へ飛散します。
 
4.超高圧水洗浄(バルコニー側)
 真夏の時期に超高圧水洗浄を行うと、「エアコンの使用可」として作業を行わざるを得ません。通常の下地補修やシーリング工事の際は、作業の為にエアコン室外機を「少しずらす」という動かし方をします。しかし超高圧水洗浄では踏ん張る足元を確保する為に、室外機を大きく移動しなければならず、冷媒管からのガス漏れ事故が起こることが多くなります。また、飛散した塗膜が室外機のファンに付着し、カバーを外して清掃を行ったり、室外機自体を交換することにもなります。
 その他に、「換気ガラリから洗浄水が浸入しての電話機の故障」「洗浄水の圧力による窓ガラスのひび」「洗浄水の浸入によるガス給湯器の基盤の故障」「室外機の排水ドレン(ジャバラホース)の破損」「サッシの隙間からの部屋内への漏水」と多くの問題が起こる場合があります。
 
5.超高圧水洗浄(玄関側)

 400kg/cm2の超高圧水に直に人体が触れると大けがになります。よって洗浄作業中、急に居住者が玄関から飛び出したら大事故になる為、作業時間帯は原則「玄関からの出入り禁止」とします。ただし急な出入りがある場合は、居住者から現場事務所に電話をして頂き、現場事務所から洗浄箇所に配置しているガードマンに無線で連絡し、作業員へ中断の伝達をします。非常に作業能率が悪く、費用も掛かります。また作業で注意しないと、「インターホンに水が入って壊れた」「照明器具が付かなくなった」「玄関ポストの郵便物が濡れてしまった」等の問題が発生します。

6.排水処理
 剥離作業後に大きな問題となるのは、軟化剤によってゲル状になった塗膜の処理があります。膜状で大きく剥がれた塗膜は、手で袋詰めにして回収し、産業廃棄物として処理を行います。しかし、軟化剤の作用によってゲル状(泥状)になった塗膜は、ドレンから雨樋を流れて外構の雨水枡へと流れてしまい、周辺の環境汚染を引き起こします。バルコニー1箇所ずつの排水処理は不可能に近いので、雨樋の1階の部分で仮設の配管に切り替え、すべて回収して同じように産業廃棄物として処理をする必要があり、非常にコストが掛かります。
7.まとめ
 現在、超高圧水洗浄工事は外壁塗膜を剥がす工事として一般的に行われています。しかし、「塗膜を剥がす」という工事は、どの様な工法を選択しても、居住者については非常に負担の掛かる工事になります。大規模修繕工事に於いては、3〜6か月、大きな現場では7、8か月と長期に渡って足場が掛かり、ネットが張られています。通常の工事でも採光や換気、バルコニーの使用制限等の制約がある為、特にこの剥離工事については、工事の仕様選定の段階から、充分な打合せと広報を行ってから工事を着工することが必要となります。
剥離工事を行うに当たり非常に苦労する点もありましたが、その苦労の分とてもきれいな仕上がりとなりました。ご協力頂いた居住者の皆様に感謝致します。  
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