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| 1.はじめに |
| 最近、大規模修繕工事を行っている現場で、「壁一面のタイルが浮いている」といった状況が良く聞かれます。その原因と対策についてご説明致します。 |
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| 2.タイル下地(モルタル下地)について |
築年数の古いマンションは、躯体コンクリートの精度が悪いということもあり、その多くは20〜30o程度のモルタル(水・セメント・砂を混ぜたもの)を左官工事にて、躯体コンクリートの上に塗ることにより、平滑な「タイル下地」を造っています。
タイル浮き調査の打診調査で「コロコロ」と鈍く低い音がした場合、躯体コンクリートとこのモルタルの層の間で浮きが生じています。右の写真でグレーの箇所がモルタルで、白い箇所が躯体コンクリートになります。
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| 3.タイル下地(躯体コンクリート下地)について |
建物の新築工事では、15年程前頃から、躯体コンクリートの傾きや段差の精度を良くして、左官による下地補修を極力少なくするようになりました。その為、補修の必要の無い、非常にきれいな躯体コンクリート面に、直接タイルを張ることによって、モルタルによる左官補修の必要が無く、左官補修の材料・手間の削減、工期の短縮につながりました。このようなタイルの浮きは、打診を行うと「カラカラ」という比較的高い、乾いたような音がします。
モルタル下地が無い壁は、右下の写真からも分かるように、白い部分の全面が躯体コンクリートで、タイルと躯体コンクリートの間には、タイルを張る為の薄い圧着セメントしかありません。
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| 4.タイルの剥離原因について |
タイルの剥離原因については、下記の内容 が挙げられます。
【タイルのみの剥離】
1)タイルの圧着不足(たたき不足)
2)タイル裏足に不純物が付着
3)圧着セメントの鏝圧不足
【タイル圧着モルタルからの剥離】
1) 左官タイル下地の清掃不足
2) プライマーの不適正使用(種類・濃度等)
3) 塗り重ねた場合の1層目の塗り圧力不足
【躯体コンクリートと左官モルタル間の剥離】
1)コンクリートの表面処理不足
(荒面処理・洗浄等)
2)不良モルタル・余剰モルタルの使用
3)左官モルタルの鏝圧不足 |
| 5.タイルの圧着不足について |
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タイルの裏面は「裏足」と呼ばれ、凸凹した形状になっています。これは圧着セメントとタイルを喰いつきやすくし、タイルの剥離を防止する為のものです。しかし写真のタイルの裏足の様に、圧着セメントが完全に充填されていない為、空隙が出来てしまい、タイル剥離の原因の一つになります。
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| 6.コンクリート型枠について |
新築工事のコンクリートを流し込む為に、木製や金属製の型枠を使用します。その種類は下写真の様に、コンパネ(コンクリートパネル)と呼ばれる合板(薄く切った単板を90度方向に重ね合わせたもの)や、打ち放し用に使用されるパネコート(コンパネにアクリル系樹脂を塗布したもの)等を使用します。特にパネコートを使用した場合、コンクリート表面が「ツルツル」に仕上がる為、タイルや塗装の付着性が低くなってしまいます。タイルの浮きが多く発生しているマンションでは、タイルが剥がれた個所の躯体コンクリートの表面は、「ツルツル」の仕上がりの場合が多くなっています。
また、これらの型枠を剥がしやすくする為に、型枠表面に塗っている剥離材も、タイル剥離の原因に拍車を掛けていると考えられます。
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| 7.補修方法について |
部分的なタイルの浮きの場合は、エポキシ樹脂とステンレスピンを併用したピンニング工法で補修することが可能ですが、タイルが広範囲に浮いている場合は、一度全部剥がさざるを得ません。下の写真の様に、躯体コンクリートをディスクサンダーや超高圧水で目荒らしを行い、タイルの圧着セメントを付着しやすくする工法があります。最近の圧着セメントは改良され、付着強度が良くなっているので、上記の工法が必ず必要という訳ではありませんが、発注者、施工者、監理者で現場の形状や下地の状況、予算等を検討して、工法の選定を行って下さい。
また、最近の新築マンションでは、このようなタイル剥離が起きない為に、躯体コンクリート下地に最初から凸凹を付けている場合もあり、タイルの剥離問題を改善する方法が取られています。
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