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■タイルの浮き補修について
1.はじめに

タイルの浮きの有り無しについては、パールハンマーという打診棒による音の違いで判断します。改修工事を実施する以前は当然ですが「足場」が無いので、廊下や階段、屋上、1階廻りといった手の届く範囲での調査しか出来ません。また管理組合様に依頼し、許可を頂いたお宅のみバルコニー内の調査を実施しています。よってタイル全面の調査は実施出来ない為、実際の工事で足場を組み立てて調査した結果、想定数量をはるかに超えるタイルの浮きが見つかることも少なくありません。

タイルの浮き タイルの浮き
2.タイルは何に張られているのか

タイルは裏面に「張り付けモルタル」を塗って張られています。躯体コンクリートの精度が良ければ「直張り(じかばり)」をしていますが、表面が凸凹であったり、水平や垂直で無かったりして補修が必要な場合は、モルタル等で下地調整を行ってからタイルを張ります。よってタイル張りは、(1)「躯体コンクリート−張り付けモルタル−タイル」の場合と、(2)「躯体コンクリート−下地モルタル−張り付けモルタル−タイル」の場合の2種類の場合があります。

タイルは裏面に「張り付けモルタル」を塗って張られています
3.タイルの浮きの判別方法

タイルの浮き調査時の浮き音の種類は大きく分けて2種類あります。1つは打診棒で叩くと「キンキン」「ピンピン」という比較的金属音に近い高い音域の音がします。これはタイル自体の浮きの音で、前述の(1)の下地で、タイルのすぐ裏面で浮いているという音になります。もう1つは「ゴンゴン」「ゴロゴロ」といった鈍く音域の低い音がします。これは下地モルタルの浮きの音で、前述の(2)の下地で、モルタルの裏に大きな浮きがある音になります。タイルの打診調査(打検調査)は、この音の違いによって判断します。写真は下地モルタルからの浮いている部分を剥がしたものになります。

タイルの浮きの判別方法 タイルの浮きの判別方法
4.浮きタイルの補修方法(張り替え工法)

タイル自体の浮きは、通常の場合は浮いたタイルを剥がして新しいタイルに張り替えます。タイル裏面の張り付けモルタルの充填不足や、暑さ等で水分が急激に蒸発して張り付けモルタルが硬化しない「ドライアウト」現象によるもので、その浮きの範囲は比較的狭く、10枚以内で浮いていることが多くあります。タイル自体の浮きはタイル裏の空隙が狭く、エポキシ樹脂を注入しても充填出来ない為、張り替え工法を実施します。ただし1、2枚の浮きについては、補修を実施しない場合があります。タイルは張り付けモルタルだけで「剥がれ」に対する強度を保っている訳では無く、タイルの目地も重要な剥がれに対する強度を保っている為、撤去作業により健全なタイル目地を痛めてしまったり、機械工具の振動により他の浮いていないタイルが浮いてしまう「共浮き」が発生してしまう危険がある為、タイル目地が健全であれば、敢えて何も手を付けないということも選択肢の一つになります。

浮きタイルの補修方法(張り替え工法) 浮きタイルの補修方法(張り替え工法)
5.浮きタイルの補修方法(ピンニング工法)

タイル自体の浮きでは無く下地モルタルの浮きの場合、電動ドリルでタイルの目地の交点に躯体コンクリートに貫通するまで穴を開け、エポキシ樹脂を注入後、ステンレスピンを挿入する「ピンニング工法」を行います。浮いたタイルが剥落しないようにエポキシ樹脂とステンレスピンで留める工法になります。下地モルタルが「面」で浮いている箇所を、通常は25穴/m2(タイル8枚に1穴)を標準として留めます。しかし実際の現場では今後の地震等の影響を考慮し、より接着強度を高める為に50穴/m2(タイル4枚に1穴)で留め、タイル1枚分の下地にエポキシ樹脂が一部でも充填されるようにピンニングの数を増やして実施しています。

浮きタイルの補修方法(ピンニング工法) 浮きタイルの補修方法(ピンニング工法)

エポキシ樹脂の注入は手動ポンプで行い、作業員がパールハンマーでエポキシ樹脂の充填具合を確認しながら行いますが、浮いている全てのタイル下地にエポキシ樹脂が充填される訳ではありません。あくまでも浮いているタイル下地を「点で留める」といった工法になります。下写真右のようにピンニングを行った箇所は、直径10センチ程度の同心円状にエポキシ樹脂が広がります(下左写真)。エポキシ樹脂の注入量を多くして全面に充填しようとすると、返って「共浮き」を発生させ、周辺の健全なタイル面も浮いてしまいます。補修完了時の検査の際、「ピンニング施工個所の周辺が浮いている」とご指摘を受ける場合がありますが、この工法はタイルの浮き(正確にはタイルの下地モルタルの浮き)が残る工法になります。

エポキシ樹脂 エポキシ樹脂の充填跡
エポキシ樹脂の充填のイメージ
6.浮きタイルの補修(その他)

現在、タイルの浮き補修にはいろいろな工法が開発されています。左下の写真はコニシ株式会社の「カーボピンネット工法」で、タイル仕上げ面に直接ピンを打ち、繊維ネットとカーボンファイバー入りのモルタルを塗ることによってタイル全面の剥落を防止します。仕上げは既存と同じタイル張りでも塗装仕上げでも可能です。また右下の写真は、FSテクニカル株式会社の「FST工法」で、低騒音・低振動のドリルでタイル自体を貫通して躯体コンクリートまで穴を開け、タイル自体の浮きに対しても、タイル下地モルタルの浮きに対してもしっかりエポキシ樹脂を充填出来る専用の注入ノズルで注入します。ステンレスアンカーピンは、タイル表面に出る頭の部分にタイルと同色の焼付塗装を行い、見た目の仕上がり感を損ねないものとなっています。

浮きタイルの補修 浮きタイルの補修
7.最後に

最近のマンションはタイル張り工法で施工されたものが多く、それに比例して大規模修繕工事実施時のタイルの浮きの問題も多くなっています。費用、時間、居住者の皆様の生活上のご負担(騒音・振動・粉じん)が無ければ、浮いたタイルは全て張り替えることが望ましいことです。しかし実際は修繕積立金からの支出であり、タイルの浮き補修の数が多くなる程費用がかさみ、それに伴い工期が長くなり、居住者様の負担も多くなるので、全てのタイルの張り替えは出来ません。管理組合様やマンションの管理会社様、設計監理者様との打合せに依りますが、優先順位として、万が一タイルが落下した場合、住民様や外部の第三者に影響を及ぼす外壁面や、見た目で「はらみ」が確認出来るタイルの浮きの場合は張り替えを実施し、その他の箇所はピンニングを実施しているのが現状の改修工事になります。

見た目で「はらみ」が確認出来るタイルの浮きの場合 大規模修繕工事実施時のタイルの浮きの問題
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